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2005年7月17日 (日)

旅の記憶ⅩⅣ タクシー・ドライバー

バンコクへ来たら、ムエタイの試合を観たいと思っていた。
ムエタイとはタイ式キックボクシングである。
二つの大きなスタジアム
「ラーチャダムヌーン・スタジアム」と
「ルンピニー・スタジアム」が、日替わりで交代に開催しているようだ。
今日は「ラーチャダムヌーン・スタジアム」のほうだった。

軽く手を挙げるとタクシーは止まった。
私はいつもメーター制のタクシーを拾うことにしている。
「ラーチャダムヌーン・スタジアムへ」
「うっ」
タクシーは走り出した。
「ラーチャダムヌーンはムエタイやってるぞ!」
「ムエタイ観たいんだけど」
「おおっ!! ムエタイ観るのか?」
急にドライバーの顔が楽しくなっている。
「ルンピニー!! ラーチャダムヌーン !!」
ドライバーはボクシングの構えをとり、しゅっしゅっとやっている。
ハンドルから手が...。

チャオプラヤー河の近くでタクシーを拾った。
ドライバーに行き先を告げると
「分かった」
と言った。
少しだけ走ると、ドライバーが話しかけてくる。
「たばこ買ってもいいか?」
「いいよ」
道路脇にクルマを止め、そのドライバーは、歩いてお目当ての店に入っていった。
なかなか帰ってこない。
10分以上経ったと思う。
そのうち、にこにことしながら戻ってきた。
話し込んでいたようである。

バンコクにも競馬場があるようで、ちょっと見学に行ってみようと思った。
タクシーを拾うと、明らかにインド人と分かるドライバーだった。
「競馬場へ」
「おっ」
タクシーは走り出した。

途中、観光案内がてら、
「あれが○○王宮だよ」
「ほほぅ」
「あれが○○記念塔だ」
「ほほぅ」
親切に説明してくれる。

そうこうしているうちに、なんか目的の方へ向かってないように思えてきた。

「競馬場へ行きたいんだけど...」
ドライバーは
「○○見るかい?」
また別の場所を見せようと、進行方向を変えている。

市内観光にタクシーを拾ったのではない。
「直接競馬場へ行ってくれ!」
それでも、ドライバーは私の言うことを聞かず、次の場所を案内しようとする。

頭にきた。
「競馬場へ行けぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
私は大声で怒鳴った。

「おおっ。競馬やるのか? 今日はやってる日だ」

なんとか目的地までたどり着いた。
メーター制のタクシーなので、ドライバーはメーターの方を合図する。
くそっ。と思いながらも支払いはするしかない。
細かい額がなかったので、大きい額で払った。
当然おつりは貰うものだと思っている。

「いいだろう?」
ドライバーは、大きな澄んだ目で私を見つめながら、ささやいた。

「・・・」
私は興奮していたが、そのままタクシーを後にした。

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