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2005年5月 4日 (水)

旅の記憶Ⅱ シクロ

ホーチミンのシクロ(人力車)はぼったくりばかりだから、
利用しないようにとガイドブックでよく読んでいた。
昼時メコン川のほとりを歩いていると、若い男がしきりに
自分に話しかけてくる。しばらく無視していたけど、
いつまでもくっついてくる。
よく訊いてみると、シクロに乗らないかといっているようだ。
ガイドブックに書いてあったことを思い出してはいたけど、
ちょうど宿泊しているホテルに忘れ物をして出てしまっていた。
「ちょっとホテルまで戻って、またここに戻ってきたらいくら?」
と訊いてみた。
「3ドルでいい?」
「3ドルでいいよ」
というので、乗ってみることに。
途中男は、私のカメラの持ち方は危険だ、ひったくられるよ、
などと気を遣ってくれる。
シーツを掛けてくれたりとやたらサービスがいい。
あそこは××市場だよと観光案内もしてくれる。
快適快適!。

15分も乗っただろうか、まだ目的のホテルには着いてないのに、
その男は道路脇にシクロをとめた。
男の顔色が、そして目つきが突然変化した。
「あ~い。ワンミニッツワンダラー! サーティミニッツサーティダラー!」
という。
ありゃ、やっぱしあれかぁ。と気持ちを引き締めた。
「ポリスへ行こう」
「えっ、ポ、ポリス?」
「い、いくらなら払える?」と男は真顔になっている。
私はポケットから紙幣を掴みだした。5ドル紙幣と1ドル紙幣
が何枚か混ざっていた。
とっさに5ドル紙幣を見せてしまった。
男はすばやく私の握った紙幣を奪い取り、なにやら悪態をついている。
なんだこのやろうと思った。
私はきょっと切れたようなふりをして、その男にせまった。
男はじりじりと後ずさりしている。
私もさらにせまっていくと、男はびっくりした形相で走って逃げる。
私も走って追いかけた、男はシクロの止めてあるところ迄戻ると、
シクロを必死になって押しながらこっちに振り返り、さらになにか
言っていた。

その日は、なんとも感じの悪い一日でした。

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